第八話 社会や組織に適応しない人に秘められたエネルギーと才能

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第八話

5月に入って。本の出版から2か月がたった。

この頃から妻が動き出した。

本というのは、初速といって、出版直後の売れ行きの勢いが重要であったり、刊行後、3か月は店頭に置かれるが、動きがない本は返品される、そういう現実があるからだ。

それまでも、セミナーを開いたり、沖縄県内の書店をまわって挨拶をしたり、友人知人・新聞社などに献本したり・・・いわゆる著者としてできることを探して行動してきた。 

しかし、「私たちは発信力が弱い。インナーチャイルドが救われるための大事なことを書いた本、絶対になくしたくない。こういう本がここにあるってことに気づいてもらうことが必要だ」と妻は言った。

そして、「このことを通して今頃気づいたが、自分たち夫婦は心の専門家としての知識や経験はあっても、その知識や経験をもっと役立たせたり、それに見合った収入につなげる方法を知らない」と。

ボクとしては、その知識や経験を本に詰め込んだ、それは読んでくれた方々が、本当の自分、本当の自分らしい生き方を取り戻すことを手助けする本、そこに情熱を注いで書いてきたのだから、この本自体がそれに見合った収入源となってほしい、それが本音だった。

だけど、それでは甘いらしい。妻は出版社社長のお知り合いの方からのアドバイス通り、YDNというyahooの広告を出した。登録からキーワード選び、予算、単価、画像選び、画像サイズの変更、コピー、他にも細かい項目の設定がたくさんある。わからないことはとにかく調べ、それでもわからなければサポートに電話をして聞く。

そういった姿勢に頭が下がる一方で、自分にはそういった行動力がない。パソコンは検索と執筆に使う程度で、何か行動を起こすにも、自分にはその術がないと思ってしまう。行動するのにとてつもない勇気とエネルギーを要するものだから、それがうまくいかない時のダメージも大きい

自分から『医者』を取ったら何も残らない・・・)。

それを実感した時、あれほど嫌だった『医者』というアイデンティティーに依存してきていたことに気づいた。

ボクは、ヒーリング・クライシスを乗り越えて、今『新しいいのち』を生きようとしている。それは、医者という衣をまとった自分ではない。それならボクは、何をしたいんだろう。

感情を麻痺させてきたために、欲求まで麻痺していた

そうしている間に、妻は毎日のカウンセリングと家事育児をこなしながら、ビジネス感覚を養う学習や『稼ぐ』ことの方法を模索し、どんどん実践していく。そのモチベーションは、もちろん自分たちの生活のためでもあるが、ボクやクライアントさんに多い、HSP(Highly Sensitive Person)の、組織に合わない、社会に適応しないタイプの人々が、個性を発揮できる分野で収入を得て生活できる方法を知りたい、というもの。HSPの人は、社会に適応しないのが個性そのものだったりするから、その特性に気づかなければ劣等感や罪悪感を抱くばかり

社会や組織に適応できなければ十分な収入が得られないのでみじめ? そうじゃないはず! HSPの人は秘めたエネルギーと才能を持ってる、それがわかるから、それを生かせる環境と土台が必要なんだ」と妻。

 

ボクは、家事の多くをするようになった。

そして、心理系の本ではなく、違う分野の本で答えを模索してみる必要があるように感じられてきて、以前から少し気になっていたホリエモン堀江貴文)氏の『すべての教育は洗脳である』を読むことにした。

 

第九話に続く

 

追記:出版した本というのは、『ママ、怒らないで』という本です。

ママ、怒らないで。不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病

ママ、怒らないで。不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病

 

 『幼かったあの日の私を抱きしめに行こう。本当の私(ママ)になるために』というコピーのとおり、生い立ちの中にあるインナーチャイルドの存在や気持ち、心の傷に触れる内容です。そして、現在の悩みや生きづらさの種がそこにあること、それを癒し、本当の自分らしい生き方を取り戻すために必要なことを書いています。